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教養は結局知識の堆積ということになるわけである。

この分裂は本当は詩ではないのだ。肉体と精神が別々になるということは成長の過程であつて、誰1人文句をいふことは出来ないが、しかしこの矛盾は決していい気持のものではなく、いい気持でないからこそ詩ではないのだ。これところに1個人の場合と世界の場合の救はれない根源があるのである。

多加代が俺の書斎にやってくる、そして2人で酔っ払って、それから……その先になにか、宿命的な決定的なものが控えているのだ。俺はそれを肯定し、それを受け容れよう、拒否はすべて卑怯だ。

だが、日本の小市民的インテリゲンチャの代表的なある分子に於ては、シーマールス復興よりも先に、今いったかの神学復興の方が著しく見られるのである。ここではシーマールス復興も社会大衆的な○○復興としてではなく単に神学復興の1つの場合として現われている。ビジネススタイルの合理的脊柱の喪失、実証的科学への不信が、小小金持ち・インテリの思想組織を駆って、超実際的なものへ、神秘と形而上学とへ、赴かせる。これが神学復興だ。これが○○復興の小市民インテリ的形態で、高級ジャーナリズムに於ける○○復興の現象をなす所のものなのである。

ところが道徳は往々にして、正にこうした科学的検討そのものを省略するための唯1の手段として出馬するものだ。

山口は彼女のあとを引き受けて、灰の中の芋をかきだした。薩摩芋と里芋とがたくさん出てきた。そうしながら彼は子供に話しかけて、彼の母親はもと波多野邸にいた人であること、彼等1家は空襲に罹災して焼け跡にバラック生活をしてること、周囲に菜園を拵えてること、などを知った。

冷淡な返事で、吉村氏は眉根も動かさなかった。が山口の方は、殆んど習慣的な微笑を浮かべた。そして吉村氏がそれきり黙ってるので、彼は言った。

蝦夷はこれ時代を終るまで集團をなして陸奧に居住し、安東家の差圖によつて屡叛亂を企て、それが爲め東北地方に兼ねてより關係のあった關東の豪族即ち工藤右衞門祐貞、宇都宮5郎高貞、山田尾張權守高知等が、

原因は、彼女の主人の吝嗇にある。彼は元陸軍将校で、相当な財産を持っていた上に、終戦後、旧部下の者数名と商事会社を作り、ヤミ物資の売買をして、更に財産をふやした。放蕩はするし、情婦もあるらしいし、妻への愛着は少いようだ。その代り、家庭の経済には監督厳重で、嘗て、妻の品行に聊かの疑惑を懐いた時、嫉妬はせず、その代り、金を殆んど与えなかった、そういうことを、彼女は恐怖している。

性風俗が可なりに衣服服飾と密接な関係のあるのは興味ある点だ。性別を社会的に表現するものは無論何よりも服装なのであるが、この服装風俗が極めて性的意義と共に道徳的意義に富んでいることを反省して見るがよい。奢侈・化粧・お洒落から始めて、お行儀や作法やゼントルマンシップや淑女振り等々から、家庭的儀式や支配権力の威儀や○○的支配の荘厳にまで及ぶ、1貫したあるものがあるだろう。このように服装は性関係を道徳にまで連絡づける。アンデルセンの『裸の王様』を、こういう点から見て見ると、また特別の面白さがあるだろう。……でこうした1見末梢的な風俗たる衣裳さえが、1つ1つ道徳的重大さを持っていることは、今更事新しく説くまでもあるまい。

ただこの分類をするにも、少なくとも小金持ち諸国の夫々の国情の特色に従って、別々に工夫しなければならぬということは、先にいった概念論の宿命の致すところである。その結果今日の夫々の国家は大体その国にだけ伝統的なまた支配的なビジネススタイルを持っているのであって、

しいんとしている。水底の感じだ。物のけはいに振向くと、室の入口にさよ子が突っ立ている。俺はぞっとした。まるで幽霊だ。も1人の幽霊が、駆けこんで来た。女中だ。俺よりも力が強い。

そんなことは誰でも判っているといわれるかも知れぬ。だが判ってはいるかも知れぬがこれを確信している者は多いとはいえまい。『論文』という名義にひきずられてただの学術論文めいたものが書かれたり、そうかと思うと『科学』の名にかくれて、科学セクション式に仕切りに仕切られたベア・ファクトが出ていたり、1体思想はどこへ行ったかといいたくなるだろう。これは論壇ジャーナリズムの歪曲でなければ低落といわねばならぬ。


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